公開日 2025年03月05日
協会は2月8日、協会セミナールームで支部長会をWEB併用で開催し、17支部の支部長および支部長代理が出席した。
須田会長は開会挨拶で「診療報酬の引き下げが続き、病院を筆頭に医療機関の経営は非常に厳しい状況に置かれている。政府・厚労省による高額療養費制度の改悪等、国民医療を圧縮しようという動きは強まっている。厳しい情勢の中、出席された皆さんからぜひ活発にご発言いただきたい」と述べた。
須田会長が2025年度協会事業計画案、拝殿会計部長が同予算案の基本方針について報告した。
支部の状況や課題について活発な意見交換
懇談では、出席者がそれぞれの支部の状況や日常診療での問題等について報告した。
支部や協会活動については「支部例会、総会の参加者が固定化しているので、開催方法やテーマを工夫していきたい」「支部例会は毎回、充実した楽しい雰囲気で開催できている」「診療報酬のこと等を中心に協会を頼りにしている」「協会が公害問題や平和活動にも取り組んでいることに共感している。こうした社会への貢献も、命を守る医師の団体として求められていることだ」などの声が寄せられた。
マイナ保険証によるオンライン資格確認については、慣れてきた患者もいるとの報告があった一方、「目の障害がある人にはとても使えない仕様になっていると眼科医から聞いた」「当院では時間帯によってシステムの調子が悪く困っている」「最近、業者が感染症患者に対応できる高額なカードリーダーの営業に来ている。毎回買い替えさせるつもりなのか」など批判の声も多く出た。
協会が提起している『オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟』については「敗訴となってしまい非常に悔しい。引き続き頑張ってほしい」と激励の声も寄せられた。
また、2024年改定で大幅な変更があった生活習慣病管理料Ⅱについて、減収に繋がっているとの声が多く上がり、記入と患者への交付が必須となっている療養計画書についても、「手間がかかりすぎて患者と向き合った診療ができなくなっている」「ほとんどの患者から不要と言われる」などの指摘が相次いだ。
その他、低く抑えられた診療報酬のため社会から要請される賃上げに対応できないことや、患者希望での安易なオンライン診療の増加による減収、日本語が話せない外国人への診療等、医業経営上の課題を共有した。「コロナ禍で医療機関に大きな負荷がかかった結果、患者が医療にかかりづらくなった時期があり、現在も戻っていないと感じる」との指摘もあり、司会の水山副会長は「今後は一層、患者に寄り添った対応が求められるのではないか」とまとめた。
当日の模様(2月8日、協会セミナールーム)
(『東京保険医新聞』2025年2月25日号掲載)