公開日 2025年03月12日
組織部と研究部は2月13日、皮膚科会員懇談会を2年ぶりに開催した。八木葉子氏(芝浦アイランド皮膚科院長)が司会・進行を務め、皮膚科を標榜する会員7人が参加した。事務局からは、①皮膚科の診療報酬算定の留意点、②混合診療、③個別指導・集団的個別指導について話題提供があった。
特に関心の高い集団的個別指導については、2024年度東京都の皮膚科医療機関のレセプト1件あたりの平均点数は711点、集団的個別指導の対象となる基準平均点(診療所は平均点数の1・2倍)は853点であることを紹介した。集団的個別指導に正当な理由なしに無断で欠席した場合、個別指導の対象となるため注意するよう強調した。
懇談のなかで、皮膚科では美容皮膚科等自由診療との関係で、混合診療についても議論になり、病名をしっかり区別することやカルテを分けて使用することなどが重要であると紹介された。指導では混合診療は厳しく指摘されるため、いっそうの注意が必要である。
また、アトピー性皮膚炎等に適応のあるデュピクセントの自己注射に関して、在宅自己注射指導管理料の算定方法についての質問も相次いだ。
八木氏は自身の経験をふまえて解説するとともに、参加者それぞれの医療機関ではどのように対応しているか率直に意見交換した。
集団的個別指導については、「皮膚科と形成外科を標榜している場合、どちらの科の平均点数が対象になるのか」といった質問が出された。
八木氏は、「減点・返戻を過剰に意識せず、必要な検査を実施、請求して、納得のいかない減点に関してはためらわずに再審査請求をしてほしい」と促した。
そのほか、「審査上の取り扱いに注意しながら病名を付ける必要がある」「日常診療の悩みや疑問点を解消できた」「皮膚科に特化した診療報酬の講習会があると嬉しい」との感想が出された。
最後に、八木氏から「今後も日々の診療に役立つ情報提供をしていきたい。研究会や懇談会で取り上げてほしいテーマがあれば、
ぜひご意見を寄せていただきたい」と挨拶があり閉会した。
司会の八木葉子氏
(『東京保険医新聞』2025年3月5日号掲載)