保険請求のご相談・指導対策は保険医協会へ

公開日 2025年04月23日

 審査指導対策部では、日々会員医療機関から寄せられる保険点数請求や査定・減点、返戻のご相談、個別指導対策をはじめとする活動を行っている。年度の初めにあたり、活動を改めて紹介したい。

保険算定の疑問はすぐに電話で確認

 複雑になる一方の保険点数の算定に係る会員からの問い合わせに対し、毎月2000件以上電話でお答えしている。

 2年に一度の診療報酬改定の際には『点数表改定のポイント』『新点数・介護報酬Q&A』といった書籍を配布し、それを解説する新点数説明会を都内各地で開催している。2024年度は9月に医学管理料講習会、11月に在宅医療講習会、1月に指導対策講習会を開催し、各点数の算定要件について解説した。

 毎年5月開講の初級医療事務講習会では、会員および事務職員を対象に全7回に渡って保険請求の基本をわかりやすくお伝えする。一部有料の講習会もあるが、これらの講習会は会員医療機関であれば参加することができる。

 
 事務局員が会員からの点数の問い合わせに直接対応している

 

 
 前回の新点数説明会の模様(2024年3月28日、文京シビックホール)

納得いかない査定・減点は再審査請求を

 協会では、会員から寄せられた理由のわからない査定・減点事例を、毎月第2金曜日の審査指導対策部会で検討し、レセプト作成のポイント等を必ずフィードバックしている。

 協会にお送りいただいた再審査請求書は、検討したのち協会から支払基金および国保連合会へ提出する。

 再審査請求がオンラインでも可能になったため、提出書面を印刷することがない医療機関向けに協会でも検討用の専用書式「オンライン請求医療機関用の再審査請求検討書」もご用意している。協会ホームページからダウンロードの上、協会まで事例を提供いただければ、前述の部会で検討する。寄せられる情報が多いほど、会員同士を助けることにつながるので、ぜひとも再審査請求およびその結果をお寄せ願いたい。

指導には万全の準備を

 開業医が受ける指導には、開業1年~2年経過した後に呼ばれる「新規個別指導」、患者や保険者からの情報提供などを理由に選定される「個別指導」、類型区分ごとにレセプト1件あたりの平均件数が基準平均点の1・2倍(病院は1・1倍)を超え、かつ上位8%の医療機関が対象となる「集団的個別指導」がある。

 集団的個別指導は講習会形式で開催されるのに対し、新規個別指導および個別指導は指導月以前の連続する2カ月分のレセプトの中から選定された患者のカルテを突き合わせて指導が行われる。新規個別指導は10件、個別指導は30件選定されるため、カルテを日常から適切に作成するといった個別指導対策が必要となる。

 協会では年に1度、指導対策講習会を開催している。また、新規開業医講習会を毎月開催し、会員と未入会員に新規個別指導および保険診療に関する情報提供を行っている。指導の実施通知が届いてから慌てることのないよう、日ごろからカルテ記載の充実を図られたい。

 協会ではこれまで寄せられた会員の声や相談をもとに、萎縮診療を招きかねない「高点数」を理由とした「集団的個別指導の廃止」「高点数の医療機関を個別指導の対象にしないこと」などを要望している。

会員同士の助け合い

 協会は、日々の点数問い合わせ等の会員医療機関の悩みごとから、医療政策の問題点を整理・把握し、協会理念にある保険医の生活と権利を守る活動に反映している。

 未入会の先生におかれては、ぜひ入会のうえ、協会事業・活動を活用されたい。

 

(『東京保険医新聞』2025年4月5日号掲載)