東京都教育庁と懇談 学校健診について要請

公開日 2026年01月27日

   
当日の模様(2025年12月24日、東京都庁第二本庁舎)

 協会は2025年12月24日、都庁第二本庁舎で東京都教育庁担当者と意見交換を行った。7月に小池百合子都知事に提出した「2026年度東京都予算等に関する請願」のうち、教育庁の管轄となる学校健診に関する項目について要請した。教育庁からは担当者ら3人が、協会からは須田昭夫会長と申偉秀理事が参加した。

 要請項目は①学校健診における脊柱側弯症検査機器の導入、②学校健診の保健調査票へのCOVID―19後遺症状関連項目の追加、の2点。

側弯症健診こそデジタル化を

 脊柱側弯症は早期発見が重要であり、学校健診でスクリーニングを行う。専用の検査機器がすでに一部の自治体で導入されており、未導入の地域に比べて脊柱側弯症の発見率が高く、早期発見に有用だ。

 また、脊柱側弯症の検査には脱衣が伴うが、近年、脱衣健診による児童・生徒の心理的負担やプライバシーの問題を懸念する声が大きくなっている。着衣による検査は児童の心理的負担を軽減させるが、脱衣時と比較して側弯症の発見率は低下する。検査機器の中には、肌着着用時でも脱衣時と同様の検査結果が得られると報告されているものもあり、機器の導入により、発見率の向上と児童の心理的負担軽減の両立が期待できる。

 教育庁からは、「区市町村立学校や私立学校の運営については東京都に裁量がないため、国が行っている啓発事業や国の通知の案内に留めている」との回答があった。

 協会からは、「校医は見落としの責任を負う一方、近年は脱衣への批判も増えており、板挟みになっている。検査機器の導入は早期発見に寄与するだけでなく、担い手が減りつつある校医の負担軽減にもつながる」と必要性を訴え、区市町村への補助など都で実施可能な範囲の施策を要望した。。

COVID―19後遺症のフォローを

 COVID―19罹患者の一定数が長期に及ぶ罹患後症状(いわゆる後遺症)に苦しんでいる。小児におけるCOVID―19後遺症の頻度は成人より低いものの一定程度みられ、対応の遅れから長期に及ぶ不登校状態や引きこもりをきたすと、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となる。

 学校健診では、児童・生徒一人ひとりに十分な内科診察の時間を確保できないことが多いため、保健調査票(事前の問診票)に後遺症状に関する項目を追加することで後遺症の捕捉率向上が期待できる。

 教育庁からの回答は、脊柱側弯症と同様に「都に裁量はない」であった。保健調査票は、文科省監修の『児童生徒等の健康診断マニュアル』に基づき、各区市町村教育委員会等で作成するため、マニュアルの改訂を国に働きかけることも検討していく。

 協会は今後も東京都への要望活動を実施し、都民のいのちと健康を守る施策を訴えていく。

(『東京保険医新聞』2026年1月25日号掲載)