[情勢解説]OTC類似薬「一部保険外療養」 検討会で議論開始

公開日 2026年07月21日

 OTC類似薬の費用の一部を保険給付外とする一部保険外療養を議論する場として、厚労省は「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」を設置し、6月25日に初会合を開催した。

 検討会では対象医薬品の範囲、別途の負担を求めない対象者と、その療養の範囲について整理・議論がされた。

効能・効果等の整理

 対象医薬品の範囲について、効能・効果等の論点として、下表の3つの類型で整理し、検討を進めることが提案され、構成員からは特に反対意見は出なかった。

 

別途の負担を求めない者と求めない療養の範囲

 「別途の負担を求めない者」について、厚労省からの具体的な提案内容は以下の通り。

① がん患者

 がん治療中であり、かつ治療に関連して対象医薬品が使用されている場合に、別途の負担を求めない。「がん治療中」の考え方は診断名のみによらず、治療実施状況(薬物療法、放射線治療、緩和治療、がん治療に関連して生じた状態への治療等)と組み合わせて判断する。

② 難病患者

 医療費助成の有無にかかわらず、指定難病患者とし、難病法と同様に当該指定難病と関係する療養について別途の負担を求めない。

③ 配慮等が必要な慢性疾患を抱えている患者

 国の公費負担医療を受けている者には別途の負担を求めないとし、対象となる療養の範囲は公費負担医療が助成する範囲とする。

④ 入院患者

 入院中(退院時を含む)に処方された医薬品は、別途の負担を求めない。

⑤ 処置等の一環で対象医薬品の処方が必要な患者

 当該処置等と一体不可分であり、かつ当該処置等と密接に関連する範囲について別途の負担を求めない。具体的には診療報報酬点数表の「第3部検査」のうち生検、穿刺その他の侵襲を伴う検査、「第9部処置」「第10部手術」の医療行為を基本とする。なお、処置等後の処方については一定の期間が設けられる見込みだ。

⑥ 医師が長期使用等が医療上必要と考える場合(通年処方)

 医師の診断や治療の下で年間を通じて症状が持続し通院する必要があり、対象医薬品を通年で服用することが医療上必要と認められる者には別途の負担を求めない。内服薬は、年間処方日数おおむね50週が目安とされた。外用薬については医師の継続使用指示を前提とした慢性疾患や受診頻度を用いる。

 「通年処方」に該当すると考えられるものとして、アトピー性皮膚炎等の慢性の皮膚疾患で医師が日常的に使用を指示している場合等が挙げられた。「通年処方」に該当しないものとして、冬に集中して処方している、継続使用の指示がなく1~2回だけ大量に処方している、断続的使用を想定し、少量を数回、念のために出している程度などが挙げられた。

⑦ OTC医薬品を「服用しないこと」とされている患者

 年齢制限、疾患、症状、併用薬制限、部位、性別、妊婦・授乳等、多様であることから、医師への必要な受診が前提であるという本制度の趣旨を踏まえて整理する。

 構成員からは、「初診時に、年間を通じて薬が必要だと予測するのは難しい」「過去の履歴がなくても、症状や経過、画像初見などから、長期に必要な治療計画が予測されると医師が判断した場合には、配慮対象とすべき」など、初診時の判断の難しさについて意見が出た。

 検討会は計4回程度を予定しているが、第2回、第3回は非公開で開催される。8月頃に中間とりまとめを出して整理し、今秋に最終的な取りまとめを行うこととされた。

 第2、第3回を非公開とする理由については、「特定の疾患、個別の医薬品に関わる事柄を審議するため、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれないよう、また、企業の競争上の利益に影響しないよう」としているが、むしろ非公開の議論で、中立性が担保されるのかは疑問である。資料および議事録は原則公開すべきだ。

 検討会での取りまとめに沿って医療現場が判断・実施するのは複雑であり、混乱や事務負担の増加が懸念される。OTC類似薬は医師の診断や継続的な管理の下で使用されるという実態を踏まえ、協会はOTC類似薬の一部自己負担の撤回と、追加負担を求めない対象者の具体化に当たって、医療現場の声を十分に反映することを求めていく。

(『東京保険医新聞』2026年7月15日号掲載)