保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

高額療養費負担限度額の見直し パブコメ 反対意見多数だが修正は「無し」

公開日 2026年09月10日

 高額療養費の負担限度額が8月から引き上げられた。これに関するパブリックコメントは約5,300件(政令案に約4,300件、省令案に約980件)に達し、協会も7月3日に意見を提出している。同時期の他のパブリックコメントは0件~数十件程度であり、本パブリックコメントは突出して多かった。ほとんどが反対意見だったが、提出意見を踏まえた案の修正は「無し」となった。

 意見では、「高額療養費制度は最後のセーフティネットである。その機能を弱めるような改正はすべきでない」「ペットボトル1本分(月117円)とわずかな保険料軽減と引き換えに患者・国民の命綱を奪うのはおかしい」「自己負担額が引き上げられると、経済的な理由で治療や受診を諦める患者が増える」など懸念の声が圧倒的だった。また、保団連が実施している高額療養費の限度額引き上げの撤回を求めるオンライン署名は30万筆を超え、賛同者からは「働けないほど体調が悪く、限度額が上がると生活が厳しいです」「脳出血の時にこの制度に救われました。ぜひ引き上げの撤回をお願いいたします」等、切実な声が数多く寄せられており、国民の多くは限度額引き上げに反対であることが明白だ。

 上野賢一郎厚労大臣は7月31日の記者会見で、様々な意見があることは承知しているとした上で、高額療養費制度の見直しの趣旨や内容について、分かりやすく丁寧に説明を重ねていくと述べるにとどまり、修正や撤回の意向は示していない。

 国民の多くの声を反映しない政策は、民主主義に反する。国民の生活に重大な影響を与える政策については丁寧に議論を重ね、当事者の声を十分に反映すべきだ。

 オンライン署名「高額療養費の限度額引き上げを撤回してください」は引き続き賛同者を募集中だ。ぜひご協力をお願いしたい。

 協会は、今度も高額療養費の限度額引き上げの撤回を求めて運動を進めていく。 

(『東京保険医新聞』2026年9月5日号掲載)