保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

第4回 医療活動交流集会を開催

公開日 2016年12月05日

記念講演―処方医に知って欲しい“うっかりドーピング”―

医療活動交流集会2016

 協会・地域医療部は11月20日に協会セミナールームで「医療活動交流集会2016」を開催し、会員医師など32人が参加した。当日は記念講演1題と魅力的な5つの演題発表が行われた(下表)。

記念講演
処方医に知っていただきたい“うっかりドーピング”をさせない治療方針――喘息治療を中心に
▽公益社団法人 東京都薬剤師会 アンチ・ドーピング活動推進WG 副委員長 瀬谷 雅行 氏
演題発表
「罪作りをしないための食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の小児外来一般診療識―今までの常識は、これからの非常識」
 ▽演者:松本 勉 会員(八王子市、まつもと小児・アレルギークリニック)
「歯科疾患は生活習慣病――虫歯と歯周病を中心に」
 ▽演者:本橋 昌宏 氏(歯科医師/荒川区、本橋歯科医院/東京歯科保険医協会会員)
「知っていますか?『足病学』――実地医科に知ってほしい足の病気」
 ▽演者:桑原 靖 会員(港区、足の診療所 表参道)
「あれから48年、現代に残るカネミ油症――次世代および次々世代にも残る影響?」
 ▽演者:武田 玲子 会員(渋谷区、クリニック玲タケダ)
「当院の認知症カフェ『月のはなかふぇ』―よく学び、よく笑い、地域交流の場として」
 ▽演者:奈良岡 美惠子 会員(世田谷区、樹のはなクリニック)

 今年度から冒頭に記念講演を開催。今回は薬剤師の立場から、瀬谷雅行氏が“うっかりドーピング”をテーマに講演した(右写真)。瀬谷雅行氏

 瀬谷氏は講演の結びとして「国際基準の禁止表は毎年改訂され、内容も複雑であり、医薬品等の知識が無いと全てを読み解き理解することは難しい」と指摘。幅広い年齢層が治療を受ける花粉症や慢性疾患(高血圧、喘息治療薬)への治療時、漢方薬の処方時、さらには市販薬使用時のアドバイスなど、日常診療のなかでアスリートを意識した気遣い、治療薬の選択などを心がけていただきたい、と訴えた。 今年、ロシアの女子プロテニス選手のドーピング違反が大きく注目された。近年ではオリンピックなどの国際大会だけでなく、2003年からは国体(国民体育大会)にもドーピング検査が導入された。さらに、各種競技において若手選手が増えつつあるなか、意図して禁止物質を使用せずとも、市販のかぜ薬や医師からの処方薬などを服用したことでドーピング陽性と判定されることが危惧されている。

 なお参加者には、発刊したばかりの「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック2016年版」が瀬谷氏から進呈され、診療現場での活用に期待が寄せられた。本誌は、日本薬剤師会ホームページ(PDF版・外部サイト)から無料でダウンロードできるほか、希望者は同会からの購入も可能である。
 また、歯科の演題発表では歯の再石灰化のメカニズムなどが紹介され、「食後すぐに歯磨きをせず、30分ほど経過してからの方が望ましい」など実地医家にとっても有意義な知見が数多く紹介された。「次回も歯科分野の話が聞きたい」との感想もあり、早くも来年度に待する声が聞かれた。

  ▽日本薬剤師会ホームページ

(『東京保険医新聞』2016年12月5・15日合併号掲載)

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