公開日 2017年06月23日

政策調査部長 須田 昭夫
7月2日に投開票が行われる東京都議会議員選挙が告示され、各会派・候補者による論戦が始まった。東京保険医新聞では、ホームページ・選挙公約などから各会派の社会保障分野の公約を抜粋した。ぜひ参考にしていただきたい。
すべての会派が【子ども対策】【高齢者対策】【医療体制】【障がい者福祉】【受動喫煙対策】について、具体的な政策を明示し公約に掲げていることは大変喜ばしい。新しい都議会において公約実現に向けた前向きな論戦が交わされ、社会保障が充実することを望む。
一方、協会が患者請願署名などで訴えてきた、「医療・介護の患者・利用者負担の軽減」を公約に掲げる会派は1会派のみであった。築地市場の豊洲移転問題、五輪経費など大きな争点として取り上げられているが、都民の福祉・暮らしの実態にしっかりと目を向けてもらいたい。
閉会した通常国会では、国民生活に大きな影響を及ぼす地域包括ケア強化法案、共謀罪法案などが相次いで成立した。都議会議員選挙は全国から注目される選挙でもある。国政に対してどのような審判が下されるのかも注視したい。
自民党 | 公明党 | 共産党 |
高齢者対策 ◆認知症高齢者グループホームや特別養護老人ホームの整備促進を図る 子ども対策 ◆「こども救命センター」や「周産期センター」を中心に、地域の医療機関を連携させる 医療体制 ◆救急・災害医療体制を充実させ、都立病院を再編整備する 受動喫煙対策 ◆屋内は原則全面禁煙とし、罰則のある受動喫煙防止条例をめざす |
高齢者対策 ◆地域密着型特別養護老人ホームを増設する 子ども対策 ◆NICU(新生児集中治療室)に長期入院している小児が、自宅に帰りやすくなる体制をつくる 医療体制 ◆がん患者の社会復帰を目指して、都立病院における医療機器を整備し、支援体制をつくる 受動喫煙対策 ◆屋内は原則全面禁煙とし、罰則のある受動喫煙防止条例をつくる |
高齢者対策 ◆特養を2万人分増やし、待機者ゼロをめざす 子ども対策 ◆認可保育園を9万人分増設し、待機児童ゼロへ 障がい者福祉 ◆看護師による医療的ケアを充実させ、福祉施設の利用や通学を保障する 受動喫煙対策 ◆罰則規定のある受動喫煙防止条例をつくる |
東京改革議員団(民進党) | 都民ファーストの会 | 生活者ネットワーク |
高齢者対策 ◆月額4万円の「老後安心!家賃補助」を創設する 障がい者福祉 ◆グループホーム、通所施設、ショートステイの整備に対して、用地費の貸付、定期借地権の一時金への補助などをおこなう 医療体制 ◆東京都がん対策推進条例の制定に取り組む 受動喫煙対策 ◆2019年までに、都独自の禁煙条例をつくる |
高齢者対策 ◆地域包括ケアシステムを充実させ、安心して暮らせる街にする 子ども対策 ◆周産期母子医療センターを中心とする医療連携を強化する 医療体制 ◆救急隊到着時間を短縮、救急医療体制を充実強化する 受動喫煙対策 ◆子どもを受動喫煙から守る条例、罰則のある受動喫煙防止条例をつくる |
高齢者対策 ◆個人を地域で支える、地域包括ケアシステムを構築する 子ども対策 ◆保育は待機児解消だけを目的にはしない。保育所・地域型保育事業・認可外保育所などの質を確保して、保育環境を向上させる 医療体制 ◆介護・保育・教育など、人に関わる仕事の処遇や労働環境を改善する 受動喫煙対策 ◆全面的な、受動喫煙防止条例をつくる。私的空間にも努力義務を |