公開日 2026年10月07日

ワクチンや備蓄医薬品等、多岐にわたる質問が出され、懇談した(9月14日、都議会議事堂会議室)
協会は9月9日に都議会議事堂会議室で都民ファーストの会東京都議団と、9月14日に東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会と、9月16日に都庁第一本庁舎で東京都保健医療局・福祉局との懇談を行い、7月16日に小池百合子都知事に提出した「2027年度東京都予算等に関する請願」に基づき意見交換した。
【立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会】
都議団からは、中山寛進(台東区)、西崎つばさ(目黒区・幹事長代行)、もり愛(大田区)、おけやまさと(大田区)、東友美(町田市・厚生委員)、竹井ようこ(小平市・幹事長)、岩永やす代(北多摩第二・厚生委員)の計7人が参加し、協会からは、中村洋一、水山和之、須田昭夫、細部千晴各副会長、吉田章政策調査部長、井上博文理事が参加した。
はじめに竹井ようこ幹事長から、「毎年お話を伺い、医療現場の実情や課題を伝えていただき感謝する。出された要望は議会の質問等で生かしている。課題も大きく多岐に渡るため、大きく前進したと実感することは難しいかもしれないが、一つ一つ着実に進めていきたい」と挨拶があった。また、中村副会長は挨拶の中で「当会は現在約6300人の会員を有する。本日は会員から出された様々な要望や意見をまとめたので、ぜひ趣旨を汲みとっていただきたい」と述べた。
協会からは、要請項目(表1)を中心に説明し、改善を訴えた。

都議からは、「MRワクチンの接種率が低下している要因はなにか」「高齢者受入体制確保事業の開始年度や終了予定年度、及び導入された経緯を教えてほしい」「地域医療構想が検討されている中、高齢者を地域で受け入れて診る、入院期間を短縮する等ということが言われているが、実際の医療現場の状況を教えてほしい」「医療資材の不足は現在まだ続いているのか」「医療資材の価格が高騰していても、医療機関としてはどこにも価格を転嫁できずに持ち出しとなっており経営上問題だということを理解した」「災害用の備蓄医薬品の保存場所を施設や病院にして、有効期限が近くなったら施設や病院が使用できるようにするといった備蓄医薬品の有効活用というのは良い考えだ」等、多岐に渡る質問や意見が出された。今後も継続的に懇談を実施することを約束し、閉会した。
【都民ファーストの会】
都議団からはいずれも厚生委員を担当する高野たかひろ都議(世田谷区)、龍円あいり都議(渋谷区)、荒木ちはる都議(中野区)が参加し、協会側からは水山和之、須田昭夫、細部千晴各副会長、大﨑味江子監事が参加した。
協会からは、要請項目(表1)を中心に説明し、政策に反映するよう訴えた。
都議団からは、「自分は資格確認書を一律発行している世田谷区に住んでいる。マイナ保険証を使っている患者側には資格確認書のメリットが見えづらいが、マイナ保険証により医療機関側にはどのような負担がかかっているのか」、「資格確認書を当面併用できるようにすれば良いのではないか」といった質問があがり、協会側からは医療機関で起きているマイナ保険証に関連したトラブルの実例を紹介したほか、医療機関へのオンライン資格確認義務化により事務作業やセキュリティ対策といった対応に追われている現状を説明した。
その他、2026年度診療報酬改定で3・09%のプラス改定とされたものの、施設基準等の要件が厳しく、実際には医療機関の窮状が続いており、都からの補助が必要であると訴えた。
都議団からは、「多岐に渡る要望をいただき、感謝する。都政に反映できるよう、努めてまいりたい」との回答があった。

- 要請項目を政策に反映するよう訴えた(9月9日、都議会議事堂会議室)
【東京都保健医療局・福祉局】
都側からは各要請に係る担当者らが参加し、協会からは吉田章政策調査部長ら役員6人が参加した。各請願項目に対する都の回答の趣旨は表2の通り。

昨今の物価高騰や人件費上昇に対し、診療報酬の引き上げは全く追いついていない。都に各種補助の充実を求めたところ、「本来診療報酬で対応すべきことであり、国に診療報酬引き上げの要望は行っている。都は『東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金』や『東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業』による支援を行っている」との回答だった。
2025年12月の医療法改正により、「外来医師過多区域」での新規開業規制が懸念されている。外来医師過多区域は、国が指定した候補区域に基づき都道府県が設定するが、設定に当たっては「外来医療の協議の場」で関係者の意見を聴取し、現場の実態や国の制度趣旨に基づいて決定するとの回答があった。また、本制度については、「地域医療の確保と医療機関の自主的な取り組みとの両立に努める」と回答し、どの程度の強制力を持たせるかは明言しなかった。
資格確認書の一律交付については、国が「適切でない」としていることを回答するに留まった。協会は、マイナ保険証による資格確認の不確実性や、それにより医療機関が医療費の不払いリスクを甘受していることなどを訴え、大阪府のように最低でも後期高齢者には一律交付を実施するよう追求した。
その他各項目に関しても、都の回答に対しそれぞれ意見交換を行った。協会は今後も東京都への要請活動を継続する。

- 要請項目を中心に、物価高騰対策や資格確認書の一律交付の必要性等を説明した(9月16日、都庁第一本庁舎)
(『東京保険医新聞』2026年10月5日号掲載)


