〔会員緊急アンケート〕またもワクチン不足(2018年11月実施)

公開日 2018年12月28日

「インフルエンザワクチン、MRワクチンがなかなか入荷しない」、「協会として供給の実態を調査してほしい」との会員の声を受け、地域医療部は、11月16日に会員3782人(小児科、内科等)に「予防接種に関するFAX緊急アンケート」を実施、11月21日までに851件の医療機関から回答を得た(回収率22・5%)。

インフルエンザワクチン小児科75%が不足

集計の結果、小児科の75%、内科の70%が「インフルエンザワクチンが足りない」と回答、全体では68%が「足りない」と答えた(図1)。

18120515_01【図1】インフルエンザワクチンの在庫(全体)18120515_01【図2】インフルエンザワクチン納入量18120515_01【図3】インフルエンザワクチン接種希望者への対応(全体)18120515_01【図4】MRワクチンの在庫(全体)

昨年度の納入量との比較では、「少ない」が31%、「同じ」が55%だった。また、「少ない」と回答した会員にその割合を訊いたところ、「2割減」33%、「3割減」17%が上位を占めた(図2)。

「例年通り接種できず」7割

接種希望者への対応では、「ふだん診ている患者を優先し、新規希望者は断っている」24%、「定期接種の高齢者を優先している」17%などが続いた。何らかの問題があるとの回答は7割に及び、「例年通り接種できている」は29%だった(図3)。

MRワクチン 内科33%が不足

MRワクチンは、内科の33%、小児科の27%が「足りない」、全体では32%が「足りない」と回答した(図4)。昨年度の納入量と比較し、「少ない」が12%、「同じ」が52%、「多い」が24%だった。

「例年通り接種できず」3割

接種希望者への対応では、「ふだん診ている患者を優先し、新規希望者は断っている」8%、「大人の接種は見合わせている」6%などが続いた。何らかの問題があるとの回答は3割に達し、「例年通り接種できている」は63%だった。会員からは「風疹抗体価の低かった人に予定していたMRワクチンが納入されない」など、風疹の流行をくいとめるために必要な、大人への接種ができない状況を危惧する声が寄せられた。

ワクチン不足繰り返すな!

インフルエンザワクチン不足は昨年も発生し、今シーズンも希望する国民が接種できない事態に陥っている。また風疹流行阻止も焦眉の課題である。協会は11月26日、国の責任で「脆弱なワクチン供給体制」の抜本的な改善に取り組むことを求める緊急要望書(左上)を厚生労働大臣宛に提出した。

(『東京保険医新聞』2018年12月5・15日合併号掲載)


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2018年度「予防接種・子ども医療費助成調査」結果報告