衆院厚労委員会「健保法改正案」審議で中村副会長が意見陳述

公開日 2026年05月19日


「一部保険外療養」の危険性を訴える中村副会長(4月21日、衆議院)

 4月21日、衆議院厚生労働委員会で中村洋一副会長が参考人として意見陳述を行った。現在審議されている健康保険法等の一部を改正する法律案及び高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案に対して医師の立場から意見を述べた。

OTC類似薬の患者負担増問題点を指摘

 今回の健康保険法の改正案には、「一部保険外療養」の制度を新たに創設してOTC類似薬の薬剤費の患者負担増を行うこと、出産費用の給付体系の見直し等を行うことが含まれており、医療機関や患者に大きな影響を与える内容だ。

 中村副会長は、OTC類似薬の患者負担増について発言し、①保険料軽減の効果は小さく、薬剤費の負担増が軽減額を上回るケースが想定されること、②制度創設により市販薬の購入が推進され、受診抑制による重大な疾患の見落とし、市販薬の誤った使用による健康被害、若者に広がる市販薬のオーバードーズの助長等の弊害があること、③与党協議で対象薬剤の拡大・負担割合を引き上げる方針が出されていること、④「一部保険外療養」はOTC類似薬のみならず医療全体の給付も制限できる可能性が指摘されていること、⑤配慮措置対象が一部に限られること、といった問題点を指摘した(詳細は「主張」参照)。

 「一部の患者を線引きして、給付を制限することは公的医療保険制度の根幹にかかわる」と「一部保険外療養」に反対した。

出産費用や高額療養費についても発言

 中村副会長は、出産費用の給付体系の見直しについても言及した。「分娩体制がある医療機関は長時間労働等多大な負担を抱えながら運営している」と指摘し、医療機関の負担を考慮し、強引な体制変更を求めないよう訴えた。

 高額療養費の自己負担引き上げについては、患者への影響を調査すべきだとし、事前の調査が行われないまま実行されようとしている2026年8月からの制度変更については反対だと述べた。

 意見陳述後、中村副会長は梅村聡(維新)、日野紗里亜(国民)、豊田真由子(参政)、古川あおい(みらい)、辰巳孝太郎(共産)各議員らから質問を受けた。
 一般薬を自己判断で使用してぜん息や排尿困難になった患者の事例を紹介したほか、「一部保険外療養」が拡大された場合の影響についての質問に対しては「自費診療が拡大し、お金があるかどうかで受けられる医療が変わり、国民の中に格差が生まれる」と回答し、「一部保険外療養」の危険性を訴えた。

※ 当日の参考人質疑の模様は こちら から視聴できます(「衆議院インターネット審議中継」ビデオライブラリから)

(『東京保険医新聞』2026年5月5・15日号掲載)

関連ワード