保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

対都請願の論点(2020年度東京都予算案)

公開日 2019年10月15日

対都請願の論点(1)―麻疹・風疹対策の強化

 2018年は全国的に風疹の感染が拡大し、風疹患者は2,946人に達した。今年に入っても流行は続いており、9月4日時点の風疹患者数は2,156人(男性1,704人、女性452人)に及んでいる。このうち、男性患者の96%、女性患者の88%が成人で、麻疹についても676人の患者のうち68%が成人であり、罹患者の多くはワクチンを接種したことがなかった。来年開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今後訪日者が激増すると予想され、多くの都民・国民が風疹・麻疹に対する抗体を早急に獲得する必要がある。

 協会は東京都に対して、希望する成人男女に抗体検査なしにMRワクチンを接種する費用を助成するよう要望している。

 また、東京都が実施する成人の風疹予防接種事業は、都内の半数の自治体で自己負担が残っており、対象者がワクチン接種を受けるうえで障害となっている。この負担をなくし、東京都が費用を全額助成することも要請している。

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(『東京保険医新聞』2019年9月25日号掲載)

対都請願の論点(2)―3歳児健診での弱視スクリーニング検査

 視力は1歳で0.2、2歳で0.5、4歳で1.0と育っていくが、遠視や乱視、近視、不同視、斜視があると育たず弱視となる。

 弱視をみつけるためにはスポットビジョンスクリーナーを用いた屈折検査が必要だが、3歳児健康診査では実施されていない場合がほとんどであり、弱視が見逃されている現状がある。1歳?年長児までの4829例に検査を実施したところ、25人に1人が弱視危険因子を持ち、49人に1人が弱視であることが明らかとなった。

 弱視は視覚感受性のある時期に発見して治療しなければ一生視力不良が続くため、早期発見・早期治療が重要であり、すべての子どもが、早い時期に屈折検査を受ける必要がある。

 岐阜県では、2018年度~2020年度の3年間、県が購入した屈折検査機器(1台約100万円)を県内のモデル市町村に無料で貸し出し、3歳児健康診査で弱視スクリーニング検査を実施している。

 協会は、東京都に対して、3歳児健康診査で弱視スクリーニング検査を実施するよう要望している。

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(『東京保険医新聞』2019年10月5日号掲載)

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