保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

東京都福祉保健局・病院経営本部と懇談

公開日 2019年10月21日

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 都知事に提出した「来年度東京都予算等に関する請願」(2019年7月)に基づき、協会は9月18日に東京都福祉保健局・病院経営本部と懇談した。当日は、協会役員7人が2時間にわたり要請および意見交換を行った。

医師偏在対策への対応

 国は、2020年度から医師偏在対策を開始するとして、各都道府県に医師確保計画および外来医療計画を策定するよう求めている。
 都は、第7次東京都保健医療計画を追補するものとして、両計画を2019年度末までに策定するが、その際に国の医師偏在指標を鵜呑みにするのではなく、都として必要な地域医療の体制を確保するという視点で策定するとの回答を得た。
 都の担当者は「国の指標では、東京都は医師が多数の地域と示されているが、その指標だけをもって医師多数とはいえないと考える」と述べた。

指導大綱を逸脱した個別指導の改善

 協会は、個別指導の際、指導を受ける保険医を揶揄する等、指導大綱を逸脱する行為があった場合には、同席する都の職員に被指導者である保険医を擁護することを要望した。都側からは、そのような行為があったと都に報告があった場合は、厚生局東京事務所に報告するとの回答があり、協会は引き続き懇切丁寧な指導が実施されるよう改善を要望した。

麻疹・風疹対策の強化

 東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、多くの都民、国民が風疹・麻疹に対する抗体を早急に獲得する必要があることから、①希望する成人男女に抗体検査なしにMRワクチンを接種する費用を助成すること、②都内の約半数の自治体で自己負担が残っている成人の風疹予防接種事業について、都が費用を全額助成することを要望した。
 また、風疹の定期予防接種を受ける機会のなかった世代の男性を対象に2019年4月~2022年3月までの間、風疹第5期定期予防接種が実施されているが、接種者は一部にとどまっていることから接種率向上の取り組みを要望し、都として今後も厚生労働省などと連携して啓発に努めるとの回答を得た。

アスベストによる疾患を読影できる医師の養成

 解体工事の増加や自然災害などによるアスベスト飛散のリスクが高まっている。曝露から肺がんや悪性中皮腫を発症するまでに15年以上の潜伏期間があり、早期発見・治療ができる医師の養成が必要だ。協会の要望なども踏まえて、2018年度にはアスベスト関連疾患の診断などを内容とする研修会(主催:東京都がん診療連携協議会)が開催された。2019年度においても、開催に向けて同協議会と調整を進めているとの回答を得た。

接骨院の違法広告 実地調査で改善を指摘

 2018年度には延べ128件の接骨院に対し、保健所が実地調査をしていたことが明らかになった。
 都内の接骨院では「肩こり・腰痛」「根本治療」など、柔道整復師法第24条が定める範囲外の違法広告が多数見受けられ、患者が医療機関と誤解してしまうことで受診の機会が失われるなどのトラブルが起きている。懇談では、接骨院への実地調査で違法広告を認識した場合、法律上広告に記載できる事項等の説明を行っているとの回答を得た。

 協会は、東京都との懇談の内容をふまえ、来年度予算編成や都議会での論議を注視するとともに、請願内容の実現に向けて活動を続けていく。

(『東京保険医新聞』2019年10月15日号掲載)

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