【シリーズ】参議院選挙後の患者負担増計画(6)/社会保障費の年額5,000億円削減 小泉政権を上回る「医療崩壊」を引き起こす

公開日 2016年07月05日

【シリーズ】参議院選挙後の患者負担増計画(6)
社会保障費の年額5,000億円削減 小泉政権を上回る「医療崩壊」を引き起こす

シリーズでは5回にわたり参院選後に政府が計画している患者負担増計画について解説してきた(図参照)。

図_どんどん進む社会保障「改革」

この負担増計画については、自民、公明両党が国民と交わした約束を破る内容だとの批判も多い。

後期高齢者医療制度の創設などを決めた2006年の「健康保険法等の一部改正」では、政権党であった両党も賛成して「安易に公的医療保険の範囲の縮小を行わず現行の公的医療保険の範囲の堅持に努めること」などの決議が付帯されていた。しかし、安倍政権は本年6月2日に「骨太の方針2016」を閣議決定し、計画を「工程表に基づき着実に進める」とした。

麻生財務大臣によれば、2016年度から3年間で社会保障のための政府予算を1兆5,000億円削る方針も変更しない決意だ。

小泉政権時代、社会保障費を毎年2,200億円削減する目的で、立て続けに医療改悪が行われた。医療担当者にとって、「医療崩壊」の記憶は薄れるものではない。

現政権による削減額は年額5,000億円にもなる。このままでは過去を凌駕する「医療崩壊」に陥るのではないかと、多くの会員から懸念が寄せられている。

一方、若年層も含め、国民の貧困率が年々悪化している。また、6月1日に厚生労働省が発表した速報値によると、生活保護世帯に占める65歳以上の高齢者世帯が、はじめて過半数を上回った。公的年金では家賃の負担に耐えられなくなるケースが目立ち始めているという。

政府の計画がこのまま実行されれば、生活が限界に達している国民と、厳しい経営を強いられている医療機関は、さらなる窮地に追い込まれることになる。患者負担増計画の中止を求めたい。(このシリーズは今回で終了します)

(『東京保険医新聞』2016年7月5日号掲載)