私たちの考え

  • 財政構造の転換で医療制度の充実を小泉「改革断行」の筆頭は、まず医療、ついで福祉、教育といわれてきた。いま年末の2002年度予算編成に向けて「医療改革」作業が急がれているところだ。厚生労働省は9月25日、医療制度改革試案を発表、これを受けて9月28日、社会保障審議会医療保険部会が開かれ、また10月4日には財務省主計局が厚労省案では不充分として更に厳しい独自の見解を出した。関連して9月2...主張2001年10月25日
  • 株式会社の参入はどこが問題か 医療は生命・健康に直接かかわる公共性を持ったサービスであり、それゆえに医療の非営利原則が貫かれ、医療法でも株式会社の参入は禁じられている。しかし2001年3月に閣議决定された規制改革推進3カ年計画で、規制緩和による営利企業の医療機関参入が提起され、われわれにとっても避けて通れない問題となった。 ちなみに、日経ヘルスケアのアンケートでは、27%の開...主張2001年10月15日
  • 憎しみと暴力の連鎖は望まない 卑劣なテロ行為に怒り、糾弾する。そして、テロを繰り返させてはならない。しかし、そのことと、報復戦争を認めるということとは別である。戦争で傷つくのは、一般市民と子どもたちである。 戦争の悲惨さは、広島・長崎の原爆、ベトナム戦争の枯葉剤、イラクでの劣化ウランの使用などを挙げるまでもない。罪もない市民や子どもたちが命を失うばかりでなく、生き延びても奇形...主張2001年10月05日
  • 健保組合一次審査の動き ―保険者機能の強化を考える― 「レセプト審査 民間に開放」―9月中旬の一般紙にこうした見出しが踊った。厚生労働省の医療制度改革骨子案の内容を報道したものであった。 すでに7月に出された、小泉首相の諮問機関「総合規制改革会議」の中間取りまとめに、「保険者と医療機関の直接契約、健保組合などによるレセプトの直接審査・支払い、その業務の営利企業への...主張2001年09月25日
  • 医療費総枠制と医療構造改革で明日が拓けるのか 経済財政諮問会議は「基本方針」のなかで、医療費総額の抑制を打ち出し、患者負担増、保険者と医療機関の直接契約、営利企業による医療機関経営、自費と保険の混合診療により公的保険の給付範囲を縮小するなど、皆保険制度の根幹さえ崩す方向を示した。 この方針を受けて、来年度政府予算の概算要求では、医療の自然増分を2800億円削減する方針が決められた。国庫負担割...主張2001年09月15日
  • 国保 資格証明書発行の問題点 本年4月1日より、特別なケースを除き、国保料を1年以上滞納した世帯の国保証を取り上げ「資格証明書」を交付することが「義務化」された。 58年に発足した国民健康保険法は、61年に全国の市町村で実施され、国民皆保険制度の原動力となったのだが、83年には国庫補助率の削減、86年には資格証明書の発行が「できる」という省令の制定、88年には医療費抑制と収納...主張2001年09月05日
  • 危険な混合診療容認の姿勢 保険医療を破壊する「混合診療緩和」論、「自立投資」論に断固反対する立場が本年3月の保団連理事会で既に承認されている。 では、今なぜ混合診療に反対しなければならないのか。今までの混合診療の歴史を顧みながらその問題点を明らかにし、混合診療に対する我々の立場を明確にしたい。 保険診療を蝕む「混合診療」拡大の歴史 現在の保険診療では特定療養費...主張2001年08月25日
  • 小泉医療構造改革の中味 小泉内閣の高支持率が続き、「骨太方針」と称する「構造改革」が進められつつある。この「構造改革」の方向性を打ち出したのが、経済財政諮問会議が6月21日に答申した「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(以下:基本方針)」である。基本方針は6月26日閣議決定され、小泉内閣の正式方針になった。 「構造改革」の意味は明確だ。景気回復を図...主張2001年07月25日
  • ハンセン病隔離政策への反省 国の控訴断念にみる分かりにくさ 本年5月11日、熊本地裁はハンセン病原告団体に国の賠償金支払いを命じる判決を下した。これに対し自民党と1部の官僚が控訴する姿勢を示したが、控訴予定日の前日になって突然、総理大臣は断念の決断を下す。患者団体の抗議や世論の攻勢に対する妥協なのか、あるいは参議院選挙をまえにしての人気取りであるのか、いずれにしても国の...主張2001年07月15日
  • 小泉首相は医療現場の認識を 先日の都議選で圧勝した自民党・与党は勢いを駆ってますます政策実行を推し進めるだろう。特に小泉首相は医療改革に並々ならぬ意欲を燃やしている。それは97年、氏が厚生大臣の時に出した「21世紀の医療保険制度・厚生省案」の発表の時の主役だったことでも明らかだ。 この案の特徴はふたつの点にあった。ひとつは患者への負担増と給付の制限で、もう一つは政管健保への...主張2001年07月05日