論説・コラム

  • 【視点】医師のみに過労死ラインの2倍を容認! ―憲法理念に反する厚労省検討会報告書― 全国医師ユニオン代表 植山 直人 はじめに  さる3月28日に厚労省の「働き方改革に関する検討会」が報告書を出したが、その内容は一部の医師に、過労死ラインの約2倍の1860時間の時間外労働を認めるものであった。これは、医師の健康と医療安全を無視するだけでなく憲法理念を無視する暴挙と言える。 ...論説・視点2019年06月17日
  • 【視点】刑事司法の過剰介入は介護現場に何をもたらすか―特養あずみの里裁判の場合― 今井 恭平(ジャーナリスト)  さる3月25日、長野地方裁判所松本支部において、「業務上過失致死」事件裁判の判決が言い渡された。「被告人を罰金20万円に処する」野澤晃一裁判長が主文を読み上げると、傍聴席を埋めた人たちから、失望と憤りの嘆息がいっせいに漏れた。  特別養護老人ホームで起きた入所者の急変・死亡...論説・視点2019年06月06日
  • senmou1【視点】術後せん妄―その予防と対策平  俊浩(広島県/福山市民病院 精神科・精神腫瘍科)  社会の高齢化とともに、侵襲の高い手術の周術期をいかに安全に管理していくかが活発に議論されるようになっており、麻酔科と歯科口腔外科医師、薬剤師と手術室看護師が入院前から患者のリスク因子に対する介入を行う周術期管理チームが多くの病院に導入されるようになってきている。  当院ではせん妄の減...論説・視点2019年06月05日
  • 【視点】「我が事・丸ごと地域共生社会」と富山型デイサービス東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 ▪ 人権としての生存権  近代市民革命によって市民が国家の主役となってから、国家が市民生活に干渉しないように憲法が作られた。その後、産業革命によって経済規模が拡大し、巨大資本が現れた結果、貧富の格差が拡大して、個人の努力だけでは解決しきれない状況が注目された。生きることもままならない状況を救済す...論説・視点2019年05月30日
  • 【視点】マイナンバーカード、保険証利用の罠東京保険医協会副会長 吉田 章  マイナンバーカードの保険証利用を可能にする保険証のオンライン資格確認システムの導入と、このシステムに基づいた各種医療情報の集積・利用の計画が進められています。 Ⅰ オンライン資格確認システムの概要  このシステムの概要は以下の通りです。 ①現在は世帯単位の保険証番号を個人単位化する。 ②保...論説・視点2019年05月23日
  • 【視点】県民投票に思う民主主義はたたかわないと勝ち取れない 沖縄県保険医協会 会長 仲里 尚実  昨年の県知事選に引き続き、今年2月の県民投票でも、全国の保険医協会の皆さんから多大な人的・物的なご援助をいただき心から感謝いたします。  正直に告白しますと、昨年「辺野古新基地建設(辺野古の海の埋め立て)の是非についての県民投票」が提起された時、私は「なぜ...論説・視点2019年05月16日
  • 190305_shiten_gra1【視点】国際的な原発産業は凋落の一途 国際環境NGO FoE Japan(深草 亜悠美) 日立が英・原発輸出凍結を  正式決定 1月17日、日立製作所は臨時取締役会で、同社が英国・ウェールズで進めていた原発建設事業の凍結を決定した。日立の完全子会社ホライズン・ニュークリア・パワー社が、ウェールズ北部のアングルシー島に原発を2基建設する予定であった。 日立製作所は予てか...論説・視点2019年03月14日
  • 190215_01_医師偏在指標2020年度から 「外来医師多数区域」での開業に新ルール東京保険医協会 政策調査部長 須田 昭夫 「医師偏在指標」などで振り分けても、医療機能は均等に分布しない OECDの統計によれば2016年、日本の医師数は約30万人であるが、人口当たりの医師数をOECD諸国並みにするには、10万人以上も不足している。 しかも日本では高齢の医師が働き続けており、勤務医の約10%は、当直を除外しても年間1,9...解説論説・視点2019年03月13日
  • 190205_図1 九州電力の出力調整(10/21)【視点】再生可能エネルギー電力を活用しないのはもったいない国立研究開発法人 産業技術総合研究所  歌川 学 日本は多様で豊富な再生可能エネルギー資源(以下、再エネ)があり、現在の電力消費量の何倍もの再エネ電力の可能性がある。固定価格買取制度導入後増加したが2017年実績で再エネ電力は電力量の16%である。 九州電力は九州本島で初めて9回の太陽光・風力発電の出力抑制を行った。日本の優先給電・送電網受...論説・視点2019年02月05日
  • 【視点】都条例と改正健康増進法の限界東京保険医協会理事 奈良岡 美惠子 ~受動喫煙防止と世界水準を考える~   ●はじめに  タバコはマヤ文明の宗教的儀式で使われていました。神から民へ、その中毒性ゆえ人種をこえ世界に拡散されていきました。英国では90年も前から禁煙にとり組みました。日本はまだ条件付き受動喫煙防止レベルです。それでも一歩進んだことは評価したいと思います。...論説・視点2018年12月07日