更新記事一覧

2002年06月25日

  • 健康増進法案の問題点 「厚生労働白書」のサブタイトルは「生涯にわたり個人の自立を支援する厚生労働行政」であった。今回、健保法改正案とともに国会に上程されている「健康増進法案」は、この流れに沿って、自立自助を強調し、国の責任を後退させている点で、注目に値する。 ... 主張2002年06月25日

2002年06月05日

  • 日本の活力を削ぐ健保法等「改正」案 健康保険法等改正案が厚生労働委員会(衆院)で審議されている。 有事関連3法案や個人情報保護法案等々多くの重要法案を抱え、さらに、政治家の数々の疑惑により、野党側の抵抗も強く、厚生労働委員会ばかりか国会での審議全体が遅々として進んでいな... 主張2002年06月05日

2002年05月25日

  • 医学的根拠のない新点数に抗議し、断固、再改定を求める 「再診料が4回目から半分」「器具による消炎鎮痛等処置も5回目から半分」「後発医薬品を含む処方箋は2点高くなる」等々-2002年4月点数改定は、医学的に何の根拠もない驚きの内容である。特に再診料と消炎鎮痛等処置などで改定の影響を大きく受けた整... 主張2002年05月25日

2002年05月15日

  • 子どもたちの未来を考える 数年前、デンマークの学校教育を視察し、全校自転車マラソンを知る。この行事は順位を競うのではなく、教師がペースメーカーとして走り、生徒はそれを参考に自分の判断で力の配分して完走を目指すというのだ。子どもが「それぞれの生き方がある」ことを学ぶと... 主張2002年05月15日

2002年04月25日

  • 貧富の差の拡大と南北間題 65倍という格差 世界のマネーが、アメリカ一国へと集中的に流れ込んでいる。その影で、世界中の人々が貧困にあえぐ‐1990年代を通じて進行したグローバリゼーションの結果である。これはもはや、クローバリセーションというより、アメリカニゼー...2002年04月25日

2002年04月05日

  • 国民医療を切り下げる診療報酬のマイナス改定 今回の診療報酬改定では、再診料、処方せん料、消炎鎮痛等処置、理学療法など繁用の点数が引き下げられ、実算的な引き下げ幅は公称を遥かに上回り、無茶苦茶な引き下げになっている。とりわけ整形外科の診療所では2~3割の減収になり、診療所の存続を危ぶむ... 主張2002年04月05日

2002年03月25日

2002年03月15日

  • 小泉医療構造改革にNOの声を 健保本人3割増が明記された医療制度改革関連法案が、ついに上程された。医療制度改革は、小泉首相の持論「三方一両損」がごり押しされた格好となった。その結果、医療機関は、史上初の診頼朝酬本体の引き下げとなり、国民は高齢者医療の負担増や、健保本人3... 主張2002年03月15日

2002年02月25日

  • 実質、青天井の老人外来負担額 医療保険改革のひとつとして、老人患者の外来自己負担を大幅に増額する健康保険法等改定案が国会に上程されようとしている。案では定額制は廃止され、完全1割定率負担となるが、自己負担限度額が二転三転している。最新の案では高額所得者(夫婦2人世帯で年... 主張2002年02月25日

2002年02月15日

  • 実態を反映しない医療経済実態調査 昨年12月「医療経済実態調査」(以下実調)の速報値が公表された。2年前と同様、一般新聞に「開業医の平均月収249万円」「サラリーマンの5倍」などという見出しが踊った。 しかし、個人開業医の「収支差額」は単純な生活費ではない。所得税など... 主張2002年02月15日

2002年02月05日

  • 患者負担増で医療費を減らせるのか 超高齢社会に備え持続可能な公的医療保険制度を構築するという大儀のためといって、政府は度重なる患者負担増を繰り返してきた。そしてついに、患者負担原則3三割という公的医療保障制度を有する諸外国には顆を見ない高負担を提案している。 しかし、... 主張2002年02月05日

2002年01月25日

  • 三方一両損の怪 小泉首相は「三方一両損」といって、国民同士で痛みを分かち合えといっているが、実は落語のハナシの筋を誤解しているのだ。国が相応の金を出して解決するというのが本筋なのだ。 国の財政逼迫の源泉の一端に迫る試みをしてみたい。国の財政逼迫の原因... 主張2002年01月25日

2001年12月25日

  • 2001年を振り返って 今年は大きな出来事として、ひとつは、自民党総裁選挙で小泉氏が自民党を変えるということをスローガンに掲げて総裁に選ばれ、その後の参院選挙で国民の圧倒的な支持を得たこと。そしてその後、小泉構造改革の一環で医療改革の具体案が示された事である。また... 主張2001年12月25日

2001年12月15日

  • 医療費総枠規制の問題点 「医療制度改革試案」が9月25日に発表された。「試案」は「少子高齢社会に対応した医療制度の実現に向けて、広く国民の論議に供するため、厚生労働省がまとめたものであり、2002年度予算編成までに成案作成、次期通常国会に提出。実施は2002年10... 主張2001年12月15日

2001年11月25日

  • 無謀な長期入院患者の保険外し 9月26日に中医協診療報酬基本問題小委員会に出された長期入院の医療保険外しの案は、医療保険適用の療養病床に長期入院している患者さんの自己負担を大幅に増やすことによって、医療保険での入院が続けられなくしてしまうという今までにない手法で、いわゆ... 主張2001年11月25日

2001年11月15日

  • 「試案」医療機関と患者に痛み強要 反対の大きな世論を早急に 小泉首相流の「構造改革」を具体化した、厚労省発表の「医療保険制度改革試案」に対する広汎な国民的批判が高まりつつある。 政府は、「聖域なき構造改革」の風を背景に、「三方一両損で痛みを分かち合ってもらう」とさかんに宣伝し始めている。患者も... 主張2001年11月15日

2001年11月05日

  • 狂牛病対策への不安 種の壁を越えた感染 狂牛病(BSE)の原因は異常プリオン(感染性タンパク)にあり、原則的には正常プリオンをもつすべての生物に感染する可能性があるといわれる。人間ではクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が同じ脳疾患に当たるといわれるが、... 主張2001年11月05日

2001年10月25日

  • 財政構造の転換で医療制度の充実を 小泉「改革断行」の筆頭は、まず医療、ついで福祉、教育といわれてきた。いま年末の2002年度予算編成に向けて「医療改革」作業が急がれているところだ。厚生労働省は9月25日、医療制度改革試案を発表、これを受けて9月28日、社会保障審議会医療保険... 主張2001年10月25日

2001年10月15日

  • 株式会社の参入はどこが問題か 医療は生命・健康に直接かかわる公共性を持ったサービスであり、それゆえに医療の非営利原則が貫かれ、医療法でも株式会社の参入は禁じられている。しかし2001年3月に閣議决定された規制改革推進3カ年計画で、規制緩和による営利企業の医療機関参入が提... 主張2001年10月15日

2001年10月05日

  • 憎しみと暴力の連鎖は望まない 卑劣なテロ行為に怒り、糾弾する。そして、テロを繰り返させてはならない。しかし、そのことと、報復戦争を認めるということとは別である。戦争で傷つくのは、一般市民と子どもたちである。 戦争の悲惨さは、広島・長崎の原爆、ベトナム戦争の枯葉剤、... 主張2001年10月05日

2001年09月25日

  • 健保組合一次審査の動き ―保険者機能の強化を考える― 「レセプト審査 民間に開放」―9月中旬の一般紙にこうした見出しが踊った。厚生労働省の医療制度改革骨子案の内容を報道したものであった。 すでに7月に出された、小泉首相の諮問機関「総合規制改革会議」の中... 主張2001年09月25日

2001年09月15日

  • 医療費総枠制と医療構造改革で明日が拓けるのか 経済財政諮問会議は「基本方針」のなかで、医療費総額の抑制を打ち出し、患者負担増、保険者と医療機関の直接契約、営利企業による医療機関経営、自費と保険の混合診療により公的保険の給付範囲を縮小するなど、皆保険制度の根幹さえ崩す方向を示した。 ... 主張2001年09月15日

2001年09月05日

  • 国保 資格証明書発行の問題点 本年4月1日より、特別なケースを除き、国保料を1年以上滞納した世帯の国保証を取り上げ「資格証明書」を交付することが「義務化」された。 58年に発足した国民健康保険法は、61年に全国の市町村で実施され、国民皆保険制度の原動力となったのだ... 主張2001年09月05日

2001年08月25日

  • 危険な混合診療容認の姿勢 保険医療を破壊する「混合診療緩和」論、「自立投資」論に断固反対する立場が本年3月の保団連理事会で既に承認されている。 では、今なぜ混合診療に反対しなければならないのか。今までの混合診療の歴史を顧みながらその問題点を明らかにし、混合診療... 主張2001年08月25日

2001年07月25日

  • 小泉医療構造改革の中味 小泉内閣の高支持率が続き、「骨太方針」と称する「構造改革」が進められつつある。この「構造改革」の方向性を打ち出したのが、経済財政諮問会議が6月21日に答申した「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(以下:基本方針)」であ... 主張2001年07月25日

2001年07月15日

  • ハンセン病隔離政策への反省 国の控訴断念にみる分かりにくさ 本年5月11日、熊本地裁はハンセン病原告団体に国の賠償金支払いを命じる判決を下した。これに対し自民党と1部の官僚が控訴する姿勢を示したが、控訴予定日の前日になって突然、総理大臣は断念の決断を下す。患... 主張2001年07月15日

2001年07月05日

  • 小泉首相は医療現場の認識を 先日の都議選で圧勝した自民党・与党は勢いを駆ってますます政策実行を推し進めるだろう。特に小泉首相は医療改革に並々ならぬ意欲を燃やしている。それは97年、氏が厚生大臣の時に出した「21世紀の医療保険制度・厚生省案」の発表の時の主役だったことで... 主張2001年07月05日

2001年06月25日

  • 本紙、協会運動に大きな役割 責任を痛感、一層の改善へ努力 東京保険医新聞は毎月3回発行し、発行部数は5800部、さらに年4回PR版を1万6000部発行している。また、東京保険医新聞は、「保灰医の生活と権利を守り、国民医療の充実・向上を図る」ことを目的として編集している。保険医のための言論の広栃であ... 主張2001年06月25日

2001年06月15日

  • 都議会選挙に望む 東京都議会議員選挙が間近にせまっている。東京の医療・福祉はこの4年間で、どのように変わったのだろうか。高齢者、障害者、小児、公害医療に限って挙げてみても、実に15項目にも渡る切り捨て、切り下げが行われた。制度の廃止、本人負担の導入等さまざま... 主張2001年06月15日

2001年06月05日

  • 薬害エイズ裁判と731部隊 地裁判決に控訴決定 1996年、薬害エイズ事件で逮捕された安部英(元帝京大副学長)に、本年3月28日、東京地裁は「無罪」判決を言い渡した。すでに昨年2月24日、旧ミドリ十字の歴代3社長に対しては大阪地裁が実刑判決を下しており、本年... 主張2001年06月05日

2001年05月05日

  • 小児救急医療の緊急整備を 子どもの日の新聞は、15歳未満児の総人口に占める比率が14.4%と戦後最低と報じた。 子どもが減り続け、総医師数は少しだが増えているのに、小児の救急医療がなぜこんなにも深刻化しているのか?理由は、供給側と需要側の変化とそのアンバランス... 主張2001年05月05日

2001年04月25日

  • 介護保険施行1年 国民の期待に応えているか 介護保険が実施されてから1年が経過した。 公的介護保険と名付けられ、国民の多大の期待を集めて発足した制度ではあったが、実質は「措置」から「契約」への大転換で、しかも拙速に行われたために、現場はかなり混乱した。 主要な問題点をあげ... 主張2001年04月25日

2001年04月15日

  • 都の医療・福祉切り捨てに抗議する 東京都の医療費助成条例の改悪と2000年度予算が3月30日に都議会本会議で可決され、成立した。これによって高齢者、障害者などの医療福祉施策は大幅に後退することになる。 老人医療費助成(マル福)は、若干の経過措置が設けられたものの、6年... 主張2001年04月15日

2001年04月05日

  • 新たな峰を目指して 会員5000人の協会へ 2001年3月1日現在、東京保険医協会は、会員4500人に達し、都医A会員比は46%に到達しました。 政府は赤字財政を理由に、社会保障・医療福祉を次から次へと切り捨て、石原都政もまた、老人医療費助成制度をはじめとして、障害者医療、ひと... 主張2001年04月05日

2001年03月25日

  • 外形標準課税導入は反対である 医療機関を巡る税制に関して、最近2つの気になる動向がある。ひとつは「損税」の拡大であり、もうひとつは事業税の新たな提案である。 昨年6月首相の諮問機関である政府税制調査会は、21世紀初めの日本における税制の方向を展望したという「わが国... 主張2001年03月25日

2001年03月15日

2001年03月05日

  • 今次確定申告にあたって 確定申告にもパソコンが導入され始め、申告者にとってはパソコンによる記帳が可能になった。パソコンは、現金がマイナスで表示されたり、何が経費で何が収入か判別されないなど、ただそれだけに依拠することは危険だが、入力に間違いがなければ元帳の作成や各... 主張2001年03月05日

2001年02月25日

  • 小児科医療とメンタルケア 昨今は厳しい世相を反映して、内科医が多くの心身症の患者を診ている。実際、「どんな薬を使っても訴えがとれないので、スルピリドを使ったら症状が消失した」など、薬物療法だけで対応できるケースも多い。一方、小児科は薬よりもカウンセリングに重点をおく... 主張2001年02月25日

2001年02月15日

  • 都民の目線に立った予算編成を 東京都の2001年度予算原案が発表された。この予算原案は、昨年強行された医療・福祉切り捨てを本格的に実行する予算になっている。 老人医療費助成(マル福)は新規に対象になる人がいなくなり、対象年齢は66歳~69歳になる。老人福祉手当は、... 主張2001年02月15日

2001年02月05日

  • 相次ぐ公害訴訟勝利に思う 大気汚染は工場排煙などの固定発生源と、クルマ排ガスなどの移動発生源により引き起こされる。 高度成長時代は4日市公害のような排煙を主とした裁判があり、それぞれ住民側が勝利したが、その後クルマ社会の到来と共に、排煙排ガスを含めた大気汚染が... 主張2001年02月05日

2001年01月25日

  • 医療保険改悪は、消費不況をさらに助長する 今年もどうやら景気の低迷が続きそうだ。テレビでは、財界人や閣僚、経済評論家たちが、景気浮上策をまくし立てている。IT革命だ、住宅減税だ、住宅取得の贈与税減税だ、物価は下がって実質賃金は増えている。だから庶民は財布の紐を緩めて景気をよくしてく... 主張2001年01月25日

2000年12月25日

  • 2000年をふりかえる 今年四月に発足した介護保険制度は私たち開業保険医に少なからぬ影響をもたらしている。介護の現場から様々なエピソードが伝えられてきている。とにかく老人医療費の入院分は激減した。急性疾患を除けば老人の入院分の医療費はほとんどゼロになる勘定だ。国や... 主張2000年12月25日

2000年11月25日

  • 研修環境の整備を求める―第4次医療法改正から― 第4次医療法改正の大きな狙いのひとつに「卒後臨床研修の必修化」がある。そのポイントは卒後2年以上の臨床研修(歯科は1年)を義務づけるもので、診療所の開設者や病院の管理者になるためには、この研修の終了が必須である。 厚生省の方針として卒... 主張2000年11月25日

2000年11月15日

  • 薬剤効能と保険適用―アスピリンの効能追加から― 開発から百年の歴史を持つ解熱鎮痛剤「アスピリン」が、狭心症や脳梗塞などの再発を予防する薬として今年中にも保険適用される見とおしとなった。 欧米では、アスピリンの血栓抑制効果を確かめる臨床試験が行われ、米国は2年前に効能を追加した。日本... 主張2000年11月15日

2000年10月25日

  • 受診抑制が狙いの老人定率負担 衆議院解散で廃案となった健保法等改定案が国会に再提出された。政府は、来年1月1日施行を目指して今臨時国会での成立を図ろうとしている。 今回の改定案では、高齢者の患者負担を原則一割とし、1.診療所の場合は1割負担で上限3000円(院外処... 主張2000年10月25日

2000年10月15日

  • 混合診療容認の動きと皆保険制度 ようやくアスピリンが狭心症や脳梗塞の保険適応薬として承認された。しかし、胃がんとの強い関連が認められているヘリコバクターピロリ菌の検査や治療が今だ保険適応になっていない(菌の発見からすでに15年が経過し、米国では1997年2月承認済み。わが... 主張2000年10月15日

2000年09月25日

  • 来年度都予算に望む 9月から障害者医療費助成制度(マル障)が改定された。住民税課税者に対しては、国の老人医療とほぼ同じ負担となり、都の負担は大幅に軽減される。2000年度予算(本年度予算)では、マル障など東京都医療費助成制度全般に渡り引下げられた形となり、福祉... 主張2000年09月25日

2000年09月15日

  • 老いを生きる 9月15日は老人の日である。この祝日には、高齢者の苦労した人生を、ねぎらう意味があるのではないか。 長命になることは、一概に喜ばしい側面ばかりではない。むしろ姨捨山の話にあるように、人間が年を加えていくと、社会のために貢献する能力が落ち... 主張2000年09月15日

2000年09月05日

  • 東京ER構想と都立病院の役割 石原東京都知事は、東京発「医療改革」と称して、東京ER(総合救急診療科)構想などを発表し、都議会でも大きな論議になっている。この構想は、日本の医療には「透明性」「信頼性」「効率性」が不足しているとして、「365日24時間の安心」「患者中心の... 主張2000年09月05日